記事に散りばめられた、誰かに話したくなるちょっとした豆知識たち。サクッとつまみ食いしていってください。
講談社の社名の由来は「談話を講じる」。1909年に野間清治が創業し、元々は雑誌『雄弁』からスタートした「談話社」だった。創業117年、今や「講じる」より「描く」会社になったわけだ。
ジャンプの名物「読者アンケート至上主義」。結果が悪い連載は容赦なく打ち切られる。一方、マーガレットは作家の創作自由度が高く、「作家のブランド」で読者を引きつける文化がある。同じ集英社なのに、雑誌ごとに哲学がまるで違う。
AniListスコア1位のベルセルク(93点)。作者の三浦建太郎は1ページに数日かけることもあり、休載の常連だった。連載開始から34年間で単行本41巻 — 年間1.2巻ペース。それでもファンが待ち続け、世界最高評価を獲得した。「速く描く」ではなく「深く描く」が神漫画の条件なのかもしれない。
群馬県民なら誰もが暗唱できる「上毛かるた」。1947年に戦後の子どもたちに群馬の誇りを教えるために作られた、全44枚の郷土かるただ。毎年県大会まで開かれ、大人も本気で札を取り合う。前橋の読み札は「県都前橋 生糸の市(まち)」──県庁所在地であることと、かつての生糸産業が、かるた1枚に凝縮されている。
札幌の地下歩行空間「チ・カ・ホ」は全長520m。吹雪の日でもコートなしで札幌駅から大通まで歩ける。冬の通勤を地下で完結させる都市設計、これは雪国ならではの"裏ワザ"だ。
千葉市のゆるキャラ「ちはなちゃん」は、市の花であるオオガハスがモチーフ。このオオガハス、1951年に検見川遺跡で発掘された約2,000年前の種子から発芽させたもの。植物学者・大賀一郎博士の発見で「世界最古の花」として国際的な話題になった。千葉の名物は、TDLでも落花生でもなく、2,000歳の蓮の花だ。
ベクデルテストの名前の由来は、漫画家アリソン・ベクデルの1985年の漫画『Dykes to Watch Out For』。登場人物が「名前のある女性が2人以上いて、男以外の話をする映画しか観ない」と宣言するジョークだった。それが40年後、ハリウッドの公式指標になるとは、本人も思っていなかっただろう。
ヒッチコックは自作に必ずカメオ出演していた。だが観客が「ヒッチコック探し」に夢中になりすぎて本編に集中しなくなったため、出演シーンを映画の序盤に移動させた。監督が映画を「支配」していることの、文字通りの証拠だ。
歴代興行収入1位の『アバター』(29億ドル)のTMDBスコアは7.6。実はトップ10にすら入らない「普通に良い映画」レベル。世界一売れた映画は、世界一評価された映画ではない。
W杯2022で「最も入るはずがなかったゴール」は、サウジアラビアのアル・ダウサリが決めた52分の一撃(xG 0.033)。「100回打って3回入るかどうか」のコースをカーブで沈めた。一方、大会全体で18ゴールがxG 0.05未満の「ほぼ入らないシュート」から生まれている。W杯は、確率に逆らうことが許される唯一の舞台なのかもしれない。
浅野拓磨のドイツ戦決勝ゴール(xG 0.027)は、W杯2022全大会で「7番目に入るはずがなかったゴール」。ちなみに浅野はこの試合の57分・60分・65分・67分にもシュートを打ったが全て外れている。5本目にして初めてネットを揺らした。「37回に1回」の確率に、5回目の挑戦で当たったことになる。
xG(期待ゴール)の概念を最初にサッカーに持ち込んだのは、2012年のサム・グリーン。彼はオプタ社のアナリストで、「シュートの質を数値化できないか」という問いから統計モデルを構築した。今では世界中の放送局がxGを画面に表示しているが、たった12年前には存在しなかった指標だ。
株主への配当金は英語で dividend。語源はラテン語の dividendum(分けるべきもの)。「分けるべきもの」が株主にだけ手厚く分けられている――というのがこの記事の核心データだ。
ROEを3つの要素に分解する「デュポン分析」。この手法を発明したのは、実は火薬メーカーのデュポン社だ。1920年代、同社の財務担当者が「利益率 x 回転率 x レバレッジ」という分解式を考案。100年後の今も世界中の経営分析で使われている。火薬屋が作った数式が、日本の上場企業3,000社を評価する物差しになっているのだ。
Spotifyは全曲に「明るさスコア」をつけている。Earth, Wind & Fireの『September』は0.98。Radiohead『Creep』は0.10。ABBAの『Dancing Queen』は0.75で、Johnny Cashの『Hurt』は0.16。数字だけ見て曲が浮かぶなら、あなたの感覚はSpotifyのAIとほぼ一致している。
Spotifyの「valence(明るさ)」スコアは、公式にアルゴリズムの中身が公開されていない。機械学習ベースの推定値で、音楽理論家もどう計算しているか正確には知らない。つまりSpotifyが「この曲は悲しい」と言ったら、それがこの世界の真実になる。
1971年まで日本は「1ドル=360円」の固定相場だった。この数字には由来がある——という説がある。360度=円(まる)だから、というジョーク。実際にはGHQが日本の物価水準から算定したものだが、「円だから360」は為替の世界で最も有名な都市伝説のひとつだ。
FY2024の為替差益ランキング1位は任天堂の616億円。海外売上比率が約8割の同社では、円が1円安くなるだけで利益が数十億円増える。投資家からは「ゲーム株じゃなくて為替株」と冗談で呼ばれるほどだ。もっとも逆もまた然り——円高に振れれば、マリオが何本売れても帳消しになる。
企業が銀行に払う「支払利息」は損益計算書の「営業外費用」に計上される。一方、銀行が受け取る利息は「営業収益」の本丸だ。企業にとってのコスト増は、銀行にとっての増収——3メガバンクが2024年度に揃って過去最高益を更新したのは偶然ではない。企業の利払い+50%は、そのままメガバンクのボーナスになっている。
日銀が「公定歩合」と呼んでいた金利は、2006年に「基準割引率および基準貸付利率」に名前が変わった。理由は「もう公定歩合で市場金利を誘導する時代じゃないから」。名前が変わるほど、金利の役割自体が変わってしまったのだ。