記事に散りばめられた、誰かに話したくなるちょっとした豆知識たち。サクッとつまみ食いしていってください。
集英社は1926年、小学館の「娯楽雑誌部門」として設立された。つまり集英社は小学館の子供のような存在だ。両社は今でも「一ツ橋グループ」として同じビルに本社を構えている。親子ほど近い関係なのに、データで見ると中身は完全に別人格だ。
「ラブコメ」は1980年前後に生まれた和製英語。火付け役は少年サンデー連載の『うる星やつら』(1978年)。恋愛は少女漫画の専売特許——その常識を壊したのは、実は少年誌だった。ジャンルの境界線は、いつも「場違いな一作」が溶かしてきた。
MADBに登録された最古の漫画は1878年(明治11年)。データベースは140年以上の日本漫画史をカバーしている。ちなみに集英社の設立は1926年、講談社は1909年。
秋田市の竿燈まつりで使われる竿燈は、大若(おおわか)で重さ約50kg、高さ12m。これを額や腰で支える妙技は国の重要無形民俗文化財。練習中にバランスを崩して観客席に突っ込む「竿燈事故」は、地元では夏の風物詩として笑い話になっている。
盛岡の三大麺といえばわんこそば・冷麺・じゃじゃ麺。わんこそばの平均記録は60〜80杯だが、フードファイターの世界記録は500杯超。ちなみに、給仕さんは1回の大会で1人あたり約2,000杯を注ぎ続けるらしい。客より先にバテるのは給仕さんのほう、という説がある。
千葉市のゆるキャラ「ちはなちゃん」は、市の花であるオオガハスがモチーフ。このオオガハス、1951年に検見川遺跡で発掘された約2,000年前の種子から発芽させたもの。植物学者・大賀一郎博士の発見で「世界最古の花」として国際的な話題になった。千葉の名物は、TDLでも落花生でもなく、2,000歳の蓮の花だ。
ヒッチコックは自作に必ずカメオ出演していた。だが観客が「ヒッチコック探し」に夢中になりすぎて本編に集中しなくなったため、出演シーンを映画の序盤に移動させた。監督が映画を「支配」していることの、文字通りの証拠だ。
MCU最初の作品『アイアンマン』のトニー・スターク役は、当初トム・クルーズにオファーされていた。クルーズが断った結果、ロバート・ダウニー・Jr.がキャスティングされ、28億ドルのエンドゲームまで続く物語が始まった。ハリウッドの「もしも」で最も高くついた断り方かもしれない。
ジョン・ウィックシリーズは、4作目で1作目を超えた稀有な存在(1作目7.5→4作目7.7)。主演キアヌ・リーブスは撮影前に数ヶ月の格闘技トレーニングを積み、スタントの大半を自分でこなしている。努力が数字に出た好例。
xG(期待ゴール)の概念を最初にサッカーに持ち込んだのは、2012年のサム・グリーン。彼はオプタ社のアナリストで、「シュートの質を数値化できないか」という問いから統計モデルを構築した。今では世界中の放送局がxGを画面に表示しているが、たった12年前には存在しなかった指標だ。
浅野拓磨のドイツ戦決勝ゴール(xG 0.027)は、W杯2022全大会で「7番目に入るはずがなかったゴール」。ちなみに浅野はこの試合の57分・60分・65分・67分にもシュートを打ったが全て外れている。5本目にして初めてネットを揺らした。「37回に1回」の確率に、5回目の挑戦で当たったことになる。
W杯2022で「最も入るはずがなかったゴール」は、サウジアラビアのアル・ダウサリが決めた52分の一撃(xG 0.033)。「100回打って3回入るかどうか」のコースをカーブで沈めた。一方、大会全体で18ゴールがxG 0.05未満の「ほぼ入らないシュート」から生まれている。W杯は、確率に逆らうことが許される唯一の舞台なのかもしれない。
ROEを3つの要素に分解する「デュポン分析」。この手法を発明したのは、実は火薬メーカーのデュポン社だ。1920年代、同社の財務担当者が「利益率 x 回転率 x レバレッジ」という分解式を考案。100年後の今も世界中の経営分析で使われている。火薬屋が作った数式が、日本の上場企業3,000社を評価する物差しになっているのだ。
株主への配当金は英語で dividend。語源はラテン語の dividendum(分けるべきもの)。「分けるべきもの」が株主にだけ手厚く分けられている――というのがこの記事の核心データだ。
Spotifyは全曲に「明るさスコア」をつけている。Earth, Wind & Fireの『September』は0.98。Radiohead『Creep』は0.10。ABBAの『Dancing Queen』は0.75で、Johnny Cashの『Hurt』は0.16。数字だけ見て曲が浮かぶなら、あなたの感覚はSpotifyのAIとほぼ一致している。
Spotifyの「valence(明るさ)」スコアは、公式にアルゴリズムの中身が公開されていない。機械学習ベースの推定値で、音楽理論家もどう計算しているか正確には知らない。つまりSpotifyが「この曲は悲しい」と言ったら、それがこの世界の真実になる。
1971年まで日本は「1ドル=360円」の固定相場だった。この数字には由来がある——という説がある。360度=円(まる)だから、というジョーク。実際にはGHQが日本の物価水準から算定したものだが、「円だから360」は為替の世界で最も有名な都市伝説のひとつだ。
FY2024の為替差益ランキング1位は任天堂の616億円。海外売上比率が約8割の同社では、円が1円安くなるだけで利益が数十億円増える。投資家からは「ゲーム株じゃなくて為替株」と冗談で呼ばれるほどだ。もっとも逆もまた然り——円高に振れれば、マリオが何本売れても帳消しになる。
日銀が「公定歩合」と呼んでいた金利は、2006年に「基準割引率および基準貸付利率」に名前が変わった。理由は「もう公定歩合で市場金利を誘導する時代じゃないから」。名前が変わるほど、金利の役割自体が変わってしまったのだ。
企業が銀行に払う「支払利息」は損益計算書の「営業外費用」に計上される。一方、銀行が受け取る利息は「営業収益」の本丸だ。企業にとってのコスト増は、銀行にとっての増収——3メガバンクが2024年度に揃って過去最高益を更新したのは偶然ではない。企業の利払い+50%は、そのままメガバンクのボーナスになっている。